昔はCubase 8 Proを使ってDTMをしていたけど,実機寄りのチップチューンを始めてから専らFamiTrackerやGoatTrackerとかをメインで使うようになった. ピアノロールで打ち込みしたいときも,別にVSTのソフトシンセ使いたいとは思わず,MSGSで十分だったのでDominoで済ましていた. 結果的にここ数年間DAWを全く使わずに過ごしてきた.
数日前にたまたまCubaseとStuido Oneをごにょごにょと触る機会がありいろいろ試してみた.
これまでDAWはCubaseしか使ったことがなく,それを選んだのも周りの人でCubaseを使っている人が多くてとりあえずそれにしただけだったので,Studio Oneを使ってみるとCubaseとの違いが分かって面白かった.
DAWを使った作曲への興味も復活してきたので,ここで単にCubaseに戻るのではなく自分に合ってそうなDAWを見つけてみようと思い,Wikipediaで調べて出てくるDAWの試用版をいくつか触ってみることにした.
それぞれのDAWを使い込んだわけではなく試用版をちょちょっと触っただけなので,全体的に雑で,かなり個人的な主観が入った感想になっているので注意.
上から触った順なので,順番が違うとまた別の感想を持ったかもしれない.
今回はWindowsで使えるDAWを見てきたので,GarageBandとかLogicは無し.
Cubase
- 最新版はワンビューがデフォルトになった
- 8を触っていたので大体の動作が同じで慣れている
- 謎の安心感
- 正直画面がごちゃごちゃしててデザインはそこまでな感じ
Studio One
- 洗練されたCubase
- 使い方が似ていてかつ改良されている
- 無駄にごちゃごちゃしてなくてよい
- Cubaseと比べて単純にVSTiをトラックにD&Dするとインサートされるのが分かりやすい
- パターンエディタでステップシーケンスを入力可能
- スクラッチパッドでフレーズをメモのようにしてアレンジできるのは便利
- デザインも好み
- ええやん
Ableton live
- セッションビューが独特
- ループシーケンスを設定し,マスターで任意のシーンのループ再生を切り替えるパッドとか使ったセッション向け
- 何となく発想がトラッカーに近いかも
- DAWによくある編集画面はアレンジメントビュー
- リアルタイム演奏を重視した感じで,トラックの管理も本当のミキサーに近い
- 文字が小さい
- デザインは気にすんなって感じのつくり
- 初めて使ったとき勝手が違いすぎて面食らった
Cakewalk by Bandlab
- 無料でこだわるなら十分な機能
- ピアノロールでの音符の入力がダブルクリックまたはドラッグ
- ドラッグでカーソルを移動させると,音価・音高が上手く変化してくれる
- ステップシーケンサが機能としてあるのドラムでよさそう
- マトリックスビュー(pad)でリアルタイム録音して曲を作成,こちらも機能としてある
- 見た目がちょっと古い感じ
- smartがなければ編集時に毎度ツールを切り替えないといけない
- smartも他のDAWの操作のデフォルト動作に及ばない気がする...
- Cubaseをお手軽にした感じ
Bitwig Studio
- 洗練されたlive
- こちらのアレンジビューはミックス(セッション)のビューを横に並べたもの
- 1シーンだけで作ればliveのアレンジビューでの編集に近いこともできる
- かつ今風のシンプルなデザインで,分かりやすい
- こちらのアレンジビューはミックス(セッション)のビューを横に並べたもの
- なんでか知らんけど手持ちのMIDIキーボードが上手く認識できない
- ええやん
Ability
- Singer Song Writerの拡張版らしい
- 試用版のインストールファイルへのアドレスをメールで送ってくる感じが日本企業っぽい
- ステップエディタがあるなど,MIDIシーケンサを拡張していった雰囲気のつくり
- 起動時のVSTチェックのウィンドウ連発が邪魔
- デザインが古臭い
- Music Studio Producerを思い出した
FL Studio
- 初回起動でいきなりサンプル用意されてる
- トラックのスクロールバーにプレビューみたいに映っていて現在の表示位置とかもわかりやすい
- パターンを作成してプレイリストに並べていくところがトラッカーの考えと似ている
- 音源ラックからそのトラックのパターンを作り,プレイリストのトラックへ置く(置かれた1つの箱はクリップと呼ぶ)
- パターンの長さは任意
- ステップシーケンサの編集場所とピアノロールの編集場所がバラバラ
- ええやん
Reaper
- シンプル
- 変に凝った機能があるわけではなく,音声編集,ピアノロール,トラックビュー,ミキサーがある感じ
- マウス,キー操作は一番windowsの標準に近い感覚
- AudioとMIDIのトラックの区別がない(Audio or MIDI tarck)
- MIDIシーケンサを拡張してDAWにした雰囲気
- AbilityよりはシンプルでDomino使いにはとっつきやすそう
- 2次元のSend対応表とか
- DominoをDAWにした印象
Reason
- ラック画面がメイン
- メールでDLリンクを送ってくるのかと思ったらアカウントを登録されてしまった,これは罠
- 重い
- DLするファイルのサイズもデカい
- 実際に動かすときの画面遷移で固まるの(自分の環境のせいだとおもうけど)
Renoise
- VSTを使えるトラッカー
- トラックをグルーピングできる
- ポリフォニックのための複数トラックをグルーピングして一つのトラックのように扱える
- 更にFXトラックの中に別のトラックを含んでsendを表現
- ミキサーでトラックに書けるエフェクトを設定(いわゆるパターンエフェクトとは別)
- パターンと別にグラフィカルなオートメーションエディタがある
- ここ数年間トラッカーをいじってきたので初見でも操作が大体把握できた
- ええやん
Pro Tools / Acid / Digital Performer
- 会員登録後のアカウント削除がいちいちメール出さないとダメっぽいのでめんどくさくてパス
色々触って,自分に一番必要なのは大きなディスプレイだと分かった.
DAWはひとつのウィンドウにトラックやピアノロール,ミキサーなどを同時に表示するので,自分が使っているノートPCの画面だとぎゅうぎゅう詰めになってまともに編集できない.画面解像度を上げると今度は文字が小さくなりすぎて読めないので,まず1台ディスプレイを買うことにした.
それぞれのDAWに特色があって面白かった.
特にパターンやクリップなどを持つFL Studioやlive,Bitwig Studioはトラッカーとピアノロールの中間みたいな考えで,自分にとって理想的なシーケンサの形に近く,惹かれるものがあった.
これまでにMML,トラッカーを作ってきて,いつかはピアノロールのシーケンサも作りたいなと思っていたので,今後参考になりそうな経験ができた.