よもやもダンプ

気が向いた時にアウトプットしておくところ

雑記#54

うしろ向きのはなし.

列車に乗って車窓を眺めるとき,後ろの景色が見たくなる.
ロングシートの座席に乗っているとき,みんなは進行方向を向いて外を眺めている.
遠くの景色がだんだんと近づいてきて,「進む」感覚を楽しめるからだと思う.

自分が後ろを向くようになったのは,みんな一緒のことをしているのに気がついて,自分は違うことをしたいというめんどくさい性格のせいだった.
後から気が付いたけど,前から見えてた景色が自分の横を過ぎると誰もその後を見ようとしていない.
でも、同じ山・川・海・町でも前から見る景色と後ろから見る景色だと違った面があって,後ろからじゃないと見られない景色だってある.
そんな誰も気が付いていない景色を,今ここで独り占めしている感覚が好きだ.

列車の前面・後面展望も似た感覚なのかもしれない.
進行方向にあるものが徐々に近づいてくる前面に対して,遠く向こうへ過ぎ去っていく後面だと,自分は後面の方が好きだ.
前面展望の動画はYouTubeにも多く投稿されているけど,後面展望はそれほど多くなく,普通と違う感覚が楽しめる。

後面展望な好きなのは,何でもない景色が見れるからだと思う.
列車が前へ進んでいくとき,前から見える景色には踏切で待っている車や人,作業を止めて列車を見ている人,立ち止まる人がいる.
列車が通りすぎるという出来事に周りが反応して止まっている,ある意味特殊な状況になっている.
列車が過ぎると踏切は開いて人は流れるし,何もなかったように作業の続きを始める人もいて,いつもの景色が見える.
その周りの移る景色に自分は興味を惹かれる.